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2026.06.19 Taku Satou

ユニット名FOCYMは、どのようにネーミングされたのか

FOCYMネーミング画像


野球なネーミングだけど、本当はサッカーが好き

サッカーワールドカップ2026が始まった。

6月15日AM5時。

日本代表の初戦だ。

ショボショボの目と頭は、試合開始と同時に一気に覚醒。

手に汗握る展開は一瞬で過ぎ去り、早朝をもって1日分の体力を消耗した。

 

結果は引き分けだったが、試合内容は素晴らしかった。

しばらく余韻に浸りたかった。

こんな日は正直、仕事どころではない。

4年に一度のとっておきの楽しみを、誰かに奪われてなるものか。

そんな気分だった。

 

しかし、仕事をおろそかにしては、これからも安心してサッカーを楽しめないことも事実…。

 

けっきょく“大人”になったぼくは、早々に重い腰を上げるのでした。

ほんと、大人って大変ですよね。


新商品やサービスは“我が子”

さて本題です。

あ、書き手はコピーライターの佐藤です。

FOCYMのネーミングを担当しました。

 

ぼくが考える、ネーミングで最も大切な要素は「気持ち」です。

ネーミングしようとしている商品やサービスのことを大好きになり「この魅力をたくさんの人に伝えたい」と強く心の底から思えるようになることです。

 

つまりこの時点で、すでにぼくはメンバー全員のことを愛しています。

 

のっけから精神論みたいですみません。

でも、本当にそう思っています。

 

なぜなのか。

わかりやすい例が、子どもの名づけです。

 

親となった人は皆、必ず子の“ネーミング”を経験していることでしょう。

何日もあれこれと考え、本気でこれ以上ない、となったところで渾身の命名がなされたことでしょう。

 

商品やサービスに対するネーミングも、それなんです。

たとえば企業にとっての新商品は、企画~製造まで関わった人間にとって「まるで我が子」だとの声を多く聞きます。

 

ネーミングの仕事をすることは、人様の“子ども”の名づけをすることなんです。

本気で考えないなんて、失礼じゃないですか。


2つの目的

ぼくの仲間愛が爆発したところで、次は目的の設定です。

ここも前述の「子どもの名づけ」に近いものがあります。

 

子どもの名前には、親の「こんな子に育ってほしい」という願いが込められています。

その願いは、商品やサービスでいえば目的と言い換えられます。

「お客さんにこう思ってもらいたい」の部分です。

 

そこでユニットとしての特徴ややりたいことを整理し、次の目的を設けました。

 

①「これなんて読むの?」と聞かれること

②そのうえで納得感のある回答ができること

 

まず①を設定した理由は、ユニットの初のお披露目の場が展示会ブースだったことです。

ここでは、いかにお客さんとコミュニケーションをとれるかがカギとなります。

 

インパクトの強いネームは、他ブースにたくさんあります。

であれば、我々はあえてネームだけでの勝負を避け、ネームをコミュニケーションツールのひとつと考えることで、差別化をはかったのです。

 

FOCYM

 

造語かつ絶妙に変なつづりなので、初見ではっきり読める人は少ないはずです。

 

②については、シンプルです。

 

F→FIRSTYGRAPHICS(アートディレクター泊)

O→OCEAN PICTURES(映像プロデューサー東)

C→クリエイティブキャッスル(コピーライター佐藤)

Y→吉山写真事務所(フォトグラファー吉山)

 

クリエイター個人として存在しながらユニットになっている、まさにそのままを体現します。

これは頭文字を利用するアクロニムという非常にメジャーなネーミング手法です。

 

FOCY(フォーシー)はforce(=チカラ)の形容詞っぽい組み合わせとなり、お客様のチカラになるような意味合いもよく、実はこっちもかなりの有力候補でした。

 

ただ、造語でありながらやや読みやすすぎるかな、との懸念もありました。

が、あまりにもカッコよく読めたこともあり、メンバーの反応も上々。

 

自分の名前の一部が使われるって、当事者からするとやっぱりうれしいですよね。

ネーミングにおいても、生みの親の一部を使用する事例も数多く見られます。

 

いったん「これでいいんじゃない?」みたいになりました。


なぜMが加わったのか

全会一致の支持を得たFOCY。

これでいこうかと決断を検討していたある日。

ひょんなことから1人のメンバー増員が検討されました。

そしてその頭文字がMだったのです。

 

この瞬間、ぼくの頭の中で「FOCYじゃなくてFOCYMじゃん」となったわけです。

 

諸事情からMのメンバー参加は見送り。

しかしぼくの頭のなかでは「フォーシーム」がより存在感を強めます。

 

フォーシームは、野球好きにはお馴染みです。

ピッチャーが投げる球種のひとつであるストレート(直球)のこと。

ボールを投げて1回転する間に、正面から見てボールの縫い目(シーム)が4回見えることが由来です。

 

AI時代に「人」を前面に押し出していくぼくらのスタイルはまさに直球。

仕事のスピード感への印象や、ホップして伸びる球筋がぼくらの、お客さんの成長を表すなど、いい意味づくめです。

 

そして、より読みにくくなる。

 

残るはMの意味。

最終的にMore(もっと)としました。

 

ぼくらはあくまでユニットです。

信頼できる仲間がいれば、ぜひいつでも仲間になりたい。

そして意識としても、仕事をするときはお客さんも一緒の仲間として並走したい。

 

そうした変幻自在に入れ替わる仲間の存在を、より上をめざす追求姿勢を、これからの可能性を「M」が担っているのです。


100点ではなく、120点を

FOCYは、ある意味で100点のネーミングでした。

ただ、きっかけは偶然ではあるものの、結果としてそれ以上のネーミングにたどり着くことができました。

 

FOCYが出た瞬間にぼくらは「よし、これで決定!」としなかったことも、要因のひとつです。

 

時間的な猶予が残されていたこともありますが「まだもっといいネーミングがあるかもしれない」という期待感みたいなものがあったのだと思います。

 

この感覚は、ぼくたちFOCYMのクリエイティブに対する姿勢そのものです。

 

100点でははく、120点をめざす。

ネーミングでいえば、その最後のひと押しが、商品やサービスの一生を左右するのですから。

 

ネーミング案なんて、イマドキはAIがすぐに100個も200個も出してくれます。

ただぼくは、ここにAIをあんまり使いません。

 

だって、自分で考えるのが楽しいから。

 

こんなに楽しいことを、誰かに奪われてなるものか。

 

…そんな気持ちを、いつまでも持ち続けていたい。

Taku Satou

Author

合同会社クリエイティブキャッスル

Taku Satou

代表社員/コピーライター

キャッチコピーなどコピー全般 / CI・MVV / ネーミング / 取材ライティング/ 各種企画

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